はじめに

「健康は、社会、経済、個人の発展にとって大切な資源であり、生活の質の重要な要素」(WHO・オタワ憲章・1986年)です。生活の質を向上させるということは、働く人の共通の願いです。そのためには、労働の場でも健康障害を予防することに加え、積極的に健康づくりを進めることが必要で、それが企業の繁栄、発展につながります。

当健診部は、昭和57年1月、徳島県知事の許可を得て労働安全衛生法に定められている健康診断について、労働基準協会員のみなさまに、安価で健康診断の受診ができるよう、スタッフ一同努力しているところです。
申し上げるまでもなく、健康診断は、利用される人たちから信頼を得られることが第一であります。そのためには、労働安全衛生法規はもとより、関係法規を完全かつ適性に実施しなければなりません。

当健診部は、徳島労働局長の指導のもとに、(公社)全国労働安全衛生団体連合会に加盟し、同会の実施する「総合精度管理事業」に参加し、健診制度の向上に努め成果を挙げております。協会員みなさまがつくられた健診サービス機関であり、協会員みなさまの健診機関として意を注いで参りたいと存じますので、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

労働安全衛生法(抜粋) 第66条(健康診断)

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない。
事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。有害な業務で、政令で定めるものに従事させたことのある労働者で、現に使用しているものについても、同様とする。

目次

定期健康診断

定期健康診断(安衛則第44条)

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状・他覚症状の有無の検査
  3. 胸部レントゲン検査(間接撮影)
  4. 身長・体重(BMI)・腹囲測定・視力検査
  5. 血圧の測定
  6. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  7. 聴力検査(1,000Hzの30db及び4,000Hzの40dbで純音を用いてオージオメーターで検査します)
  8. 血液検査(貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・血糖検査)
  9. 心電図検査(安静時標準12誘導心電図を記録)

医師が必要でないと認める場合に省略できる健康診断項目

(産業医が個々の受診者について、健康診断を実施する時点の健康状態、日常の生活状況、作業態様、過去の健診結果等を総合して、省略しても問題ないと判断した場合のみ)

  1. 身長測定
  2. かくたん検査(胸部レントゲン検査で所見のない場合)
  3. 聴力検査(1,000Hzの30db及び4,000Hzの40dbで純音を用いて、オージオメーターで検査します)
  4. 血液検査(貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・血糖検査)
  5. 心電図検査(安静時標準12誘導心電図を記録)
  6. 胸部レントゲン検査

雇入時健康診断

雇い入れ時健康診断 (安衛則第43条)

  • 健康診断項目の省略はできません。
  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状・他覚症状の有無の検査
  3. 胸部レントゲン検査(間接撮影)
  4. 身長・体重(BMI)・腹囲測定・視力検査
  5. 血圧の測定
  6. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  7. 聴力検査(1,000Hzの30db及び4,000Hzの40dbで純音を用いてオージオメーターで検査します)
  8. 血液検査(貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・血糖検査)
  9. 心電図検査(安静時標準12誘導心電図を記録)

特定業務従事者健康診断

特定業務従事者健康診断(安衛則第45条)深夜業務等※

6ヶ月以内ごとに1回、定期的に、定期健康診断と同じ項目で行う(胸部レントゲン検査は、1年以内に1回行えばよい)

  • 深夜業務とは、午後10時から午前5時まで(労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域または期間については午後11時から午前6時まで)の間における業務をいう

特定業務一覧

  • 高熱業務 多量の高熱物体を取り扱う業務、及び著しく暑熱な場所における業務
  • 低温業務 多量の低温物体を取り扱う業務、及び著しく寒冷な場所における業務
  • 放射線業務 ラジウム放射線、エックス線、その他の有害放射線にさらされる業務
  • じんあい・粉じん 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
  • 異常気圧業務 異常気圧下における業務
  • 振動業務 さく岩機、鋲打機、等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務
  • 重激業務 重量物の取り扱い等重激な業務
  • 騒音業務 ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
  • 坑内業務 坑内における業務
  • 深夜業務 深夜業を含む業務
  • 有害物取扱業務 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、苛性アルカリ、石炭酸、その他これらに準ずる有害物質を取り扱う業務
  • 有害ガス・蒸気粉じん業務 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
  • 病原体汚染業務 病原体によって汚染の恐れが著しい業務
  • その他厚生労働大臣が定める業務

じん肺健康診断

じん肺健康診断(じん肺法第3条、第7条~第9条の2)

じん肺法施行規則にさだめられた粉じん作業に従事または従事した労働者に対しては

  1. 就業時
  2. 定期
  3. 定期外
  4. 離職時

に以下の項目の健康診断を行わなければなりません。

健康診断の結果、所見のあった場合は、レントゲン写真等を、都道府県労働基準局長に提出し、じん肺管理区分の決定を受けなければならない。

事業者は、レントゲンフィルム及び健康診断結果記録を7年間保存しなければならない。

全ての受診者に実施する検査

  1. 粉じん作業についての職歴の調査
  2. 胸部レントゲン直接撮影

有機溶剤健康診断

有機溶剤健康診断

  1. 業務の経歴の調査
  2. 有機溶剤による健康障害及び自覚症状・他覚症状の既往歴の調査
    有機溶剤による以下の項の5~7及び「医師が必要と判断した場合に実施しなければならない項目」1~5に掲げる異常所見の既往の有無の調査
    5についての過去の検査結果の調査
  3. 自覚症状又は他覚症状の有無の検査
  4. 尿中の蛋白検査
  5. 尿中の有機溶剤の代謝物量の検査
  6. 肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
  7. 貧血検査(赤血球・ヘモグロビン)

医師が必要と判断した場合に実施しなければならない項目

  1. 作業条件の調査
  2. 貧血検査
  3. 肝機能検査
  4. 腎機能検査(但し、尿中の蛋白検査を除く)
  5. 神経内科学的検査

鉛健康診断

鉛健康診断

  1. 業務の経歴の調査
    • 鉛による自覚症状及び他覚症状の既往歴の調査
    • 血液中の鉛量及び尿中デルタアミノレブリン酸量についての過去の既往の検査結果の調査
  2. 自覚症状又は他覚症状の有無の検査
  3. 血液中の鉛量の検査
  4. 尿中デルタアミノレブリン酸量の検査

医師が必要と判断した場合に実施しなければならない項目

  1. 作業条件の調査
  2. 貧血検査
  3. 赤血球中のプロトポルフィリン量の検査
  4. 神経内科学的検査

特定化学物質健康診断

クロム酸

  1. 業務の経歴の調査
  2. クロム酸による自覚症状又は他覚症状の既往歴の有無
  3. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  4. 胸部レントゲン直接撮影

塩素

  1. 業務の経歴の調査
  2. 塩素による自覚症状又は他覚症状の既往歴の有無
  3. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

シアン化カリウム・シアン化水素・シアン化ナトリウム

  1. 業務の経歴の調査
  2. 作業条件の調査
  3. シアンによる自覚症状又は他覚症状の既往歴の有無
  4. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  5. 尿中のウロビリノーゲンの検査

弗化水素

  1. 業務の経歴の調査
  2. 弗化水素による自覚症状又は他覚症状の既往歴の有無
  3. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  4. 皮膚所見の有無の検査
  5. 尿中のウロビリノーゲンの検査

マンガン

  1. 業務の経歴の調査
  2. マンガンによる自覚症状又は他覚症状の既往歴の有無
  3. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  4. 握力の測定

五酸化バナジウム

  1. 業務の経歴の調査
  2. 五酸化バナジウムによる自覚症状及び他覚症状の既往歴の調査
  3. 自覚症状および他覚症状の有無の検査
  4. 肺活量の検査
  5. 血圧の測定

カドミウム

  1. 業務の経歴の調査
  2. カドミウム又はその化合物による自覚症状及び他覚症状の既往歴の有無
  3. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  4. 門歯又は犬歯のカドミウム黄色環の有無
  5. 尿中の蛋白検査

電離放射線健康診断

電離放射線健康診断

  1. 被ばく歴の有無の調査
  2. 白血球数及び白血球百分率の検査
  3. 赤血球数、血色素量又はヘマトクリット値の検査
  4. 白内障に関する眼の検査
  5. 皮膚の検査
    白血球百分率の検査、及び4・5の検査については、医師が必要でないと認めるときは省略ができる

石綿健康診断

石綿健康診断

  1. 業務の経歴の調査
  2. 石綿による自覚症状又は他覚症状の既往歴の有無
  3. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  4. 胸部レントゲン直接撮影

情報機器作業健康診断(旧VDT健康診断)

「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」による健康診断

配置前健康診断

  1. 業務歴の調査
  2. 既往歴の調査
  3. 自覚症状の有無の調査(問診)
  4. 眼科学的調査
    • 遠見・近見視力の検査
    • 屈折検査(問診、遠見・近見視力に異常がない場合は省略可)
    • 眼位検査(自覚症状のある者のみ)
    • 調節機能検査(自覚症状のある者のみ)
  5. 筋骨格系に関する検査
    • 上肢の運動機能、圧痛点等の検査(問診に異常がない場合は省略可)
    • その他医師が必要と認める検査

定期健康診断(1年以内ごとに1回、定期に実施)

  1. 業務歴の調査
  2. 既往歴の調査
  3. 自覚症状の有無の調査(問診)
  4. 眼科学的調査
    • 遠見・近見視力の検査
    • 眼位検査(40歳以上の者を対象に医師の判断により実施)
    • 調節機能検査(40歳以上の者が対象)
      • 眼位検査および調節機能検査については、問診、遠見・近見視力に異常がない場合は省略可
    • その他医師が必要と認める検査
  5. 筋骨格系に関する検査
    • 上肢の運動機能、圧痛点等の検査(問診に異常がない場合は省略可)
    • その他医師が必要と認める検査

健診料金表

健診料金表

備考

  1. 全項目とは、既往歴、業務歴の調査・自覚症状、他覚症状の有無の検査・身長・体重・腹囲・視力・聴力・胸部X線・血圧測定・尿検査(尿中の糖、蛋白の有無)・血液検査(貧血、肝機能、血中脂質、血糖の検査)・心電図の検査です。
  2. 上記以外の健康診断、検査は、別途料金になります。ご相談ください。
  3. 上記料金は消費税を含まない料金です。

申し込み方法

申し込み方法

申し込み用紙に、必要事項を記入してお送りください。

  • 事業所名
  • 住所
  • 電話・FAX番号
  • 担当者名
  • 各基準協会での会員の有無
  • 受診予定者人数
  • 受診希望検査項目
  • 受診希望月日

受診のお申込については、申込書に受診を希望する月等を、ご記入いただいてお早めにお申込ください。
希望日については、お申込内容を検討させていただいた上で、後日ご相談させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

  • FAX又はEメールで受け付け致します。
  • 混雑した場合は、ご希望に添えないこともありますのでご了承ください。

連絡先

(一社) 徳島県労働基準協会連合会 健診部
〒770-0011 徳島市北佐古一番町5-12 徳島県JA会館8階
TEL:088-634-1268 / FAX:088-634-1269 / E-mail:kensin@t-roukiren.or.jp

受診日程決定

  1. 申し込み用紙により、受診予定日の計画を組みます。
  2. 各事業所に日程確認の電話をいたします。
  3. 日程が決まったら、案内と受診予定者名簿を郵送します。
  4. 受診予定者名簿とFAX又はeメール等で、連合会健診部にお送りください。
  5. 名簿の確認後、個人票等を郵送にて送付します。

送付内容

当日個人票 / 受診票 / 問診票 / 案内状

受診当日

  1. レントゲン車(100V電源要)
  2. 健診に必要な場所・机及び健診機器類の100V電源等をお借りします。
  • 当健診部は、巡回健診を主にしております。
    • 年に何回かは集団健診も行っております。(日程等は、お問い合わせください。)
  • 胸部レントゲン検査は、レントゲン車が伺います。その他の健診項目につきましては、貴事業所にて場所の提供をお願いします。
  • 場所は、プライバシー保護のためにも会議室等が望ましいです。
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